ん〜!今日はクリスマス。街中、イルミネーションで鮮やかでクリスマスムード一色!
で、わたしは大好きな零一さんとウキウキ気分でデートをしてるんだけど…
零一さんって、やっぱり一般的にいっても格好良いなって改めて思っちゃうんだよね。
今日はね、珍しくスーツ以外の格好なんだけどスッゴく格好いいんだ。
スラリと背が高くって顔立ちも綺麗で睫も長いんだ。
隣でわたしの速度に合わせて歩いている零一さんの顔に思わず見とれちゃうと必ず困った様な顔をして聞いてくるんだ。
「どうした?ジロジロと。俺の顔に何か付いているのか?」
って。なんか付いていなきゃ見ちゃいけないのかなって思うんだけど、その時の零一さんの顔って赤くなっちゃってスッゴく可愛いから、つい意地悪しちゃって更に見つめちゃうんだ。
で“全く…君は”って優しく手を握ってくれるの。
二人で手を繋いでいると恋人同士に見えるのかな?
同じように手を繋いで歩いている人達を見ながら思ってみたんだ。
年齢は…少しだけ離れているけど、わたしも高校生の頃よりは成長したもんね?
少しは貴方に釣り合う様にはなったかなって。
でもね、零一さんの事を知るようになって憧れの人、尊敬する先生から大好きな人と思うようになってから、わたし、貴方に振り向いて欲しくって死に物狂いで頑張ったんですよ?
気付いているかなぁ?
エクセレント!って誉められる度に不純な動機だったから複雑な気持ちだったんだけどね?
零一さんの手をギュッと握り返して幸せを再確認。
うん。本当に幸せだなって。この幸せがいつまでも続くと良いなって思うんだ。

突然、何か大人っぽい女の人に声をかけられて、わたしたちは立ち止まったんだ。
高級そうな服に身を包んで綺麗なんだけど…なんか少し酔っているみたい。
女の人は零一さんに親しそうに声をかけてきたんだ。
「氷室くんじゃない?久しぶり〜」
「ああ、あなたは同級生の…。」
ふーん。同級生なんだ。学生時代の知り合いに会った零一さんは少し戸惑った様な表情をしていたんだ。
「ねえ?せっかく会えたんだし、どこかで飲み直さない?」
「いや、結構。今日は、その、同伴者がいるので。」
「その子、氷室くんの妹?ね、妹なんかほっといて大人同士楽しみましょうよ〜」
酔っている女の人は、わたしに構うこともなく零一さんの腕を半ば強引に掴んだんだ。

「妹じゃないもん…」
わたしは小さな声で呟いたんだ。
その時、零一さんが女の人の腕を振り払う様に解いて言ったの。
「彼女は妹では無く私の大切な恋人です。故に本日はデートを楽しんでいます。では失敬。」
零一さんは女の人に振り返る事もなくわたしの手を掴んでその場から立ち去ったんだ。
少し振り返ってみると女の人は呆然と立ち尽くしていたみたいだった。
「済まなかったな。しかし、泥酔していた事を考慮に入れてはくれないだろうか?普段はあの人も思慮深い分別のある人なんだ。」
わたしは気遣う零一さんに気にしてないって首を振って笑いかけたんだ。
「ううん。逆にあの人に感謝してます。だって格好良い零一さんが見れたから。」
「格好良い?」
「はい!逆ナンを軽くあしらうストイックな零一さんをです!」
わたしは少しふざけて片手を挙手するみたいに挙げて答えたんだ。
そんなわたしを苦笑を浮かべながら肩を抱き寄せて零一さんは耳元で囁いたの。

「フッ。しかし、君の前ではストイックかどうかは保証出来かねるな。」
「それって?その…。」
「君という現象は常に俺という事象を狂わせるという事だ。
ほら、クリスマスの買い出しを早く済ませて自宅へ帰るぞ?外泊の許可は貰ったんだろう?」
「あ、はいっ!後はケーキを買わなくちゃですね?って今日は零一さんの家に泊まっても良いんですか?」
「ああ。しかし君を眠らせるつもりは無いがな。」
「零一さんのエッチ…」
「…男性とはそういう生き物だ。ほら、行くぞ?」
少し拗ねたような顔をする零一さんに腕を絡めてわたしは最大の笑顔で頷いたんだ。
空から花びらの様に雪が降ってきてライスシャワーみたいですねって言ったら零一さんが笑っていた。来年のクリスマスも貴方が隣に居ますように…
END




はい…今回は趣向を変えて主ちゃんの目に映る格好良い先生を書いてみたくなりまして…
でウチの澪ちゃんはこんなカンジの子なんです(汗)出来るだけゲームのイメージを崩さない様にはしましたが…如何でしたでしょうか?
では、次はバレンタインでお会いしましょう〜
さよなら、さよなら、さよなら